大雨の中心で助けを叫ぶ

2017年の3月くらい?

その日私は大学近くの下宿先から単車で30分ほどの距離にある場所へでかけた。

普段とは違う道、違う方向。
車通りの多い道で、少し緊張しながら運転した。

行きは無事に目的地について、予定が終わって帰り。
少し気が緩みかけていたところに、突然雨が降ってきた。

「時間は夕暮れ。
早く帰らないと真っ暗になっちゃう。
それにレインコートもない。雨が強くなる前に帰らなければ」
と、単車に乗って急いで家の方向へ走った。

早く変えることばかりに気を取られすぎてしまっていた。

目の前で信号が赤に変わったことに気が付かず、
通常通りのスピードで信号を渡ろうとして信号をチラリと見たときに気がついた。

急いでブレーキを切った。
通常通りのスピード、大雨で濡れた地面、そこへ急ブレーキ。

「あーーーーーーー」

と思ったときには、私は地面を滑っていた。
2-3メートルは滑った。
見事に滑った。
スルーーーーーーって。

滑った私は、とっさに立ち上がった。
足には血が流れている。
でも立てるな、と思って歩き出すと、やはり傷が痛い。

道路の真ん中で
「うーん、困ったなぁ」と考える。

しかし、よく見ると、反対車線の横断歩道に、人が立っている。

あぁぁ、人だァァと安心し、
私は右手をまっすぐ上に上げて叫んだ。
「すみませーん、助けてくださーい!!!」

でも怪我をした私は、一人で単車を立て直して歩道に持っていくことは出来なかったし、
早くしないと次の車が来てその車にひかれてしまう
という恐怖で、手をまっすぐに上げた。

まぁ確かに、自分でこけたんだから自分で立ち直せよってのもめっちゃ痛い指摘だけど、、、

タイでたくさん助けてもらった記憶のある私は
助けられ、助けることは自然にできるものだと考えていた。

30秒くらいは大きな声で助けを求めていた。
きっとその人も、面倒なことに巻き込まれたくなかったんだろうね〜。
なかなか動かない。

その攻防は、結局その人がこちらに向かってきてくれて終結した。

無事単車は歩道に移動し、
「わ〜痛いです〜。どうしたらいいんでしょうね〜こういうとき〜。」
って話てたら、

「とりあえず帰って様子を見たらいいんじゃない?」
と言われたので

あっ、確かに、この怪我でもこの雨でも帰るのが先なのか!?

と思い、
「わー!そうですねー!頑張って帰りますー!」

と、元気を振る舞って帰った。

単車に乗りながら、
こけたときに滑りまくった恐怖とか、
事故で死んでた可能性もあったなぁとか、
傷の痛みでめっちゃ泣いた。

けど雨だから泣いてるかよくわからなくて
結果オーライ

部屋に帰って、傷を手当した。
めっちゃ痛かった。
一応病院にも行ったけど、問題はなさそうだった。

ほんと怖かった。
この日から単車の運転は本当に気をつけている。

この日に学んだことは2つ。


1つは、道路の中心で助けを叫べた自分の勇気が嬉しかったこと。

以前は、助けを叫ぶのは自分の責任を放棄することだと思って、
自分一人で頑張って、結局できないことが多くて自分責めていたことが多かった。

でも、タイに行って、いろんな不思議な人たちと話して、
自分と向き合って、変えていったら
助けを求めるのは助けを差し伸べられる人になることと同義なのかもしれないと考えられるようになった。

えーっと、つまりは、
もともと助けを求められない代わりに、人に助けも貸せない人だったけど、
だんだん考えが変わってきて、助けを求める代わりに周りの人を助ける人間になれてきてる、って感じ

それが実感できた出来事だった。


2つは、やっぱり人を助けるのは勇気がいることということ。

反対車線の歩道から歩いてきてくれたおじさん、
ずっこけた私を一部始終見てたけど、
それでも助けるかすごく迷ったと思うんだよね。

それは悪いことではなくて、助けることに関して必ずついてくるもので、

きっとそれは、
「自分が助けられるだろうか?」という不安や、
「自分が助けても変わらないんじゃないか?」という自信の欠如
「誰かが助けるんじゃない?」という他人任せでらくしようとする気持ち

これらは人間だから必ず心のどこかにあるもので、
人を助けるっていうのは、
この不安や、自信のなさや、他人任せにする楽さを
横において、一歩踏み出す行為なのかもしれないと思った。

助けるのにも、こんなに力がいるのだから、
助けられる側も、助ける側に手を伸ばせば、その力を軽減させることができるよなぁ。

と思った。

つまりは、
助ける側も勇気を持って行動するのが大事だけど、
助けられる勇気も、とっても大事だなということを学んだ出来事であった。

!!!

写真は関係ないが、とっても楽しかった日に撮った写真!

Lily

自分で自分を元気付けられる 存在になるために 日々なんとか生きています その延長で 人も元気にできたらいいなあ

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